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【保存版】400字で自己をPRなんて酷な世の中(後編)

JOBRASSのマツダです。
前編の続きです。

▶前編は、こちら

さっそく本題なのですが、
前提として、自己PRには、

・受ける企業を想定する場合
(企業のES、面接)
・受ける企業を想定しない場合
(OpenES、就活プロフィールなど)

の2種類があります。

今回は双方に通ずる基本的なメソッドをお伝えします。

このベースがあれば、すべてのESの礎となります。

さらに「受ける企業を想定する場合」は、「企業が求める人物像」と「自分が活かせること」を合致させることが最も重要です。

ご注意ください。
(こっちはまた次回の機会に)

さて、ESの自己PRで落ちないために、大事なメソッドを3つに絞ってお伝えします。

■メソッド① 読み手への意識
■メソッド② ワンピース意識
■メソッド③ どんなエピソードがNG?

■メソッド① 読み手への意識

そこに読み手がいる以上、読み手のことを想像してみてください。

ESの読み手はもちろん人事です。
そして、部長、役員、社長も目にする可能性があります。

では、1年間で、人事はどのくらいのESを見ているのでしょうか?

それから、ひとつ読むのに何分かけるでしょうか?

フェルミ推定してみましょうか。
(あくまでマツダの推定です)

新卒採用を行い、かつES選考を行う法人=50,000法人
就活生が45万人。
ひとりあたりのES提出が20枚。

すなわち、一年に流通するESは
45万人×20ES=900万ES

一法人あたり、
900万ES÷5万法人=180ESです。

1法人あたり2人の人事だとして、
だいたい90枚くらいでしょうか?

ちなみに、自己PRを読む時間は、1分以内です。
人間が1分間で読める文字数は500〜600字なので。

だから、読みにくい文章は、すっ飛ばされます。

まずは、次の5つを意識しましょう。

 No.1 一文一義(一文に情報は一つだけ)

一文に情報が複数あると、読み手は理解が困難となります。

文芸部の部長として、文化祭における歴代で最も売上を計上できる部誌をまとめるために、まずは部員への執筆時間の確保・管理、および広く認知をいただくためのビラ作成を実施しました。

理解できましたか?

部誌をまとめたい
部員の時間確保と管理をする
認知を広めたい
ビラを作った

目的、行動、目的、行動…と情報の過多です。

文芸部の部長として、文化祭における歴代で最も売上を計上できる部誌をまとめることを目標としました。そこで、まずは部員への執筆時間の確保・管理しました。また、広く認知をいただくためのビラ作成を実施しました。

接続詞を使用し、一文一義としました。
ちょっとすっきり。

 No.2  一文は長くて50字

No.1の「一文一義」を意識すれば、一文の文字数は抑えられます。

ちなみに、読みやすい文は80 字と言われています。
字数が限られる自己PRは、50字程度を意識しましょう。

スペイン語を身につけるため、大学の授業だけではなく、スペインに私費留学し、毎日現地の方に話しかけてみたり、清掃ボランティアサークルに参加したり、積極的に行動しました。(83字)

文字数を少なく調整するには、

・不要な情報を省く
・接続詞で二文以上にわける
・言い換え表現をつかう
・体言止め

が有効です。

スペイン語を身につけるため、スペインに私費留学しました。持ち前の積極性を活かし、2つのことに取り組みました。毎日現地の方に話しかけることそして、清掃ボランティアサークルに参加することです。

ちなみに、文のリズムを作る上では、体言止めは優秀です。

家では集中できませんでした。
だから図書館で勉強しました。
しかし隣にかわいい女の子が座りました。
ますます集中できませんでした。
家では集中できませんでした。
だから図書館で勉強しました。
しかし隣に座ったのはかわいい女の子。
ますます集中できませんでした。

使い過ぎはラッパーみたいです。
気をつけましょう。

家では集中できませんでした。
だから勉強したのは図書館。
しかし隣に座ったのはかわいい女の子。
ますます集中できませんでした。

 No.3 です・ます調(敬体)を使う

10%の割合で、常体を使う方がいらっしゃいます。

しかし、メールと同じように、ES・履歴書は敬体を使わないと心証を悪くする可能性があります。

こちらは常体(だ・である調)の例。

私は提案力がある。父が自営するレストランを幼い頃から手伝い培ってきた。お客様のニーズや好み、天候から、その日のベストなメニューを伝える。また、食欲をそそるように、シズル感を出したメニュー表を考案した。この情報分析と提案の力は、貴社に貢献できると考える。

どうでしょう?

カッコいいですけど、
これだと新聞の論説や研究論文みたいですね。

さも自信ありげで、上から目線に思えます。

ESの読み手は、目上の方。
採用担当のみならず、部長クラスや役員クラスの目に触れる可能性も考えましょう。

 No.4 固有名詞が与える可能性

固有名詞は、さらに読み手を意識することが必要です。

もし、話題が広がる可能性を含むものであれば、記載してみるのも手です。

固有名詞を使わずもったいない例

・ある授業の課題に工夫して取り組みました。
・コンビニで3年間アルバイトをしました。

「え、なんの授業だよ!」
「どこのコンビニかな?ファミマかな?」

と、あらぬ想像が読解を妨げます。

映像制作の課題に工夫して取り組みました。
新宿駅中ローソンで3年間アルバイトをしました。

「映像の勉強やってたんだな」
「新宿駅とか忙しそうなのに、3年もすごいな」
「ローソンの商品、好きなんだよな」

と、話題が広がる可能性に満ちているのです。

ただし、カッコつけやネットで調べなきゃいけないような固有名詞はやめましょう。

・多くのタスクにアジャイルしてきました。
トロンハイムに留学し、ブークモールを学びました。

 No.5 具体と抽象の使い分け

自己PRをひとりで書いていると、
もっと細かく書かないと伝わらないよな
だったり、
もっと端的に伝えないとまどろっこしいよな
だったり
思うことがあるかもしれません。

それは決して悪いことではなく、むしろ読み手のことを慮っているので良いことです。たくさん悩みましょう。

さて、抽象的な例としては、こんなPRがあります。

私は社会イベントのブースを企画したり、地域や企業の方と関わる学外活動に積極的に参加してきました。ですが、進めていくうちに時間が取れず、追い詰められることがありました。そんな中でも空き時間を見つけて作業をしたり仲間と協力しながら、困難を何度も乗り越えてきました。

どうでしょう?

頭に内容が入ってきたでしょうか?

社会イベント?
どんな学外活動?
なぜ追いつめられるの?
何を協力したの?
どんな困難があったの?

となりませんか?

逆に具体的過ぎると、

私は新宿区の若年層インドネシア人労働者と民間企業の一般社員が、議論を通して両の手を激しく行き交ったハンバーグのタネのように結束していく社会イベントを運営してきました。

そこまで言わなくても…

そして、村●春樹大先生のような修飾・比喩は不要です。

とはいえ、自分では具体か抽象か判別がつきません。

やはり「第三者」に読んでもらうことで、「冗長」なのか「舌足らず」なのか判明します。

■メソッド② ワンピース意識

さて、自己PRの肝となるのは、文章構成ですね。

基本的に間違いがない構成は、こちら。

結論(主張・強み)

根拠(エピソード)

未来(再現性)

たまにいらっしゃるのが、強みを連呼して終わる人。

金沢の神童と呼ばれていました。小学生の時は、何事も卒なくこなし、周囲に褒められてきました。高校の成績はクラスで1番、テニス部では部長でした。大学では1年間留学し、英語も話せます。一言でいうと愛されキャラなので、人間関係にも恵まれ、良好な関係づくりも得意なほうです。云々…

これはPRではなく、アピールです。

そこで、自己PRで意識していただきたいのが、『ワンピース』です。

別に『ドラゴンボール』でも『半沢直樹』でも構いません。

これら売れている人気の物語に共通しているのはなんでしょうか?

それは、共感が得られることです。

思い出してください。

主人公が壁(敵)にぶつかり、そこから努力や工夫を凝らし、成長するさまというのは、読み手にふか~い共感性を生んでいます。

そして、共感性とは、例にもれず、殆どの人間に備わっているものです。

つまり、人事にも。

失敗したこと、挫折したこと、大変だったこと、悩んだこと。それらから逃げずに立ち向かい努力したこと。その結果、学んだこと。

この構成は、おすすめです。

例を見てみましょう。
400字制限で基本構成に沿って書いてみます。

私は根本的な課題抽出ができる人間です。所属していた手話サークルでは新入部員が毎年、半年たたずに過半数が退部していました。
懇親会などを行い部員の親睦を深める活動はしていましたが、定着率を上げるには根本的な改善が必要であると考え解決に当たりました。
サークルでは毎週部員1人が交代で企画を用意し、当日までの準備と進行を行っていました。担当が準備に時間がかかるため、粗末な企画となり、内容が薄くなっている事が原因であると考えました。
そこで次の3点に取り組みました。担当をグループにする。活動時間を短縮し、活動後に振り返りをする。SNSでアイデアを随時募る。担当者の負担を減らすことで活動の質を高めることができました。
結果として退部者を大幅に減らすことができました。仕事をする上でも、課題の本質を捉え、解決するために行動ができると思っております。

基本的な構成はできています。

まず、この自己PRはそこまでNGではありません。

ただ、共感性を得るためには、ひとつまみの塩が足りません。

同情を引くわけではありません。
が、努力や苦労の証を伝えましょう。

別のPRで共感性を意識してみます。

人の気持ちに立って行動できることが私の持ち味です。高校生の頃から祖父の介護を手伝ってきました。親族といえど、遠方のため面識がほとんどなく、最初はどこか他人行儀でした
認知症で名前すら呼ばれず、どこか献身的になれない私を叱責したのは母。「身内に介護してもらいたい人なんておらんよ」。ひどく心が痛む言葉でした。
それからは、祖父の気持ちを考え行動しました。家の中はつまらなくないか、同世代と話をしたくないか、祖母の墓参りをしたくないか。思い立ったことは全て実行しました。
認知症は良化しませんが、笑顔とわがままが増えました。祖父が「やりたい」と思うことが増えたのだと捉えています。仕事でも、相手の立場に立って行動する強みを活かしてまいります。

順風満帆ではなく、
「失敗」「考えを改めた」という点が、共感性を与えているかと思います。

どんな仕事にも壁にぶち当たることはあります。

苦しい状況から這い上がった経験は、まさに仕事においても「どのように粘れるのか」という再現性が伝えられるわけです。

■メソッド③ どんなエピソードがNG?

根拠(エピソード)は、華やかなものである必要はありません。

という話は前編でしましたが、平均点をねらう上で、加点に転じにくいエピソードがあります。

それは、内向き志向な話です。
(業種・企業によってはNGということはありません)

内向きとは、対外的(対社会的)ではなく、「自分の中」や「自分を含む身内・目下の中」に閉ざされたものを指します。

なぜ加点にならないのか。

くどいようですが、自己PRとは、組織とうまくやっていく力があるかどうかのコミュニケーションです。

どんな組織(会社や団体)であれ、仕事で他者と関わらないことはありません。

そして、他者とは、新卒の場合、自分より目上の方です。

つまり、「組織=既存の目上社員・顧客」とうまくやっていく能力があるか、ないか。
これを採用、不採用のひとつの基準にしています。

さて、内向き志向な話になりやすいのは、以下のエピソードです。

・勉強を頑張ったエピソード
・資格、語学取得を頑張ったエピソード
・教育指導を頑張ったエピソード

例えば、勉強を頑張ったエピソード。

私はひたむきに努力を続けられます。大学3年間でGPA3.0を継続しています。好成績を持続させるため、3つのことを意識しました。授業後は図書館に通い、2時間は復習にあてること。苦手な科目は優先的に取り組むこと。レポート課題は推敲を重ねること。社会人になっても、努力を続けることを惜しみません。

さて、いかがでしょうか?

努力を継続したことは伝わります。
しかし、仕事は「個で勉強すること」ではないんです。

つまり、これは仕事ができる人物かどうか判明しない自己PRとなります。

内向きを脱するなら、こんな書き方もありです。

3つのことに取り組みました。わからないことは、教員や先輩に聞きにいくこと。SNSでレポートを一部公開し、アドバイスを求めること。テスト前に友人を集めて、勉強会の講師を務めること。

ここまでする人はいないと思いますが、勉強という話よりも、コミュニティの中でうまく立ち回れる人物だという社会性の評価を得られそうです。

資格取得を頑張ったエピソード、特に語学のエピソードにも全く同じことがいえます。

ちなみに、さらに言わせてもらえば、
勉強、資格、語学は、自己PRではなく、資格欄に書くべきです。

GPA3.0
TOEIC800点
○○資格

企業が評価する資格・能力ならば、そこに書いてあるだけで、努力や苦労の過程に気づいてくれるはずですから。

そして、もうひとつ。
教育指導を頑張ったエピソード。

物事を工夫して取り組む力があります。塾講師のアルバイトで、中学生に英語の指導を行ってきました。英語を嫌う生徒が多く、最初は文法や読解の授業を淡々と進めるだけでは成績が変わりませんでした。そこで、生徒の趣味に合わせた英語プログラムを考案。歌詞やドラマのセリフを英語で考えてみるなど、遊び要素を取り入れマンツーマンサポートを行いました。結果として、生徒の平均点が10点向上しました。

こっちは、どうですか?

確かに工夫して取り組んだことは伝わりますね。
しかし、こちらの内容も、内向き志向と捉えられかねません。

この自己PRでは、生徒という目下の対象者への折衝力が表現されています。しかし、やはり社会人1年目の仕事で求められる素養とは若干異なります。

内向きを脱するなら、こんな書き方もありです。

英語を嫌う生徒が多く、最初は文法や読解の授業を淡々と進めるだけで成績が変わりませんでした。そこで、社員の方に、模擬授業を見ていただき、興味を惹きつける話し方のアドバイスをいただきました。また、社員と親御さんの三者面談に同席するようにし、ご家庭での様子・性格を把握した上で指導法を練り直しました。

どうでしたか?

目上の方とのやりとりが目に浮かぶと、仕事上のコミュニケーションも支障はなさそうに感じますよね。

仕事はひとりでするものではない!
だからこそ、だれとでもうまくやっていけるという主張は加点の対象になるのです。

そして、もちろん、大きな誇張や虚偽はNGです。
面接で話すと見抜かれてしまいますし、仮に入社後に苦労してしまいます。

エピソードが全くないという方へ

部活、アルバイト、目立った経験がない。
普通のエピソードが思いつかない。

そんな方は、いまから作りましょう。

家ではYouTubeばかり視ている。
売れる動画の特徴をまとめてみる。自分も計画、実行、確認、反省を繰り返し動画制作をやってみる。ブログでその過程を公開する。「PDCAと動画を回せる」を自己PRに。

飲み会くらいしかやってない。
オンラインで盛り上がるネタを考える。身内だけではなく、初対面の人と飲み会を実施する。毎回幹事を引き受ける。「デキル幹事」の軌跡を自己PRに。

料理がちょっと好き。
魚の捌き方から各国の料理までチャレンジ。市場から仕入れてみる。ホームパーティーを企画から広報までやってみる。「行動力と発想力」を自己PRに。

とはいえ、自己PRのネタを「作る」のにバカバカしさを感じるかもしれません。

実際に大学、高校生のとき、就活の自己PRに使うために何かを頑張る、ということはなかったはずです。

しかし、不思議なことに、多くの自己PRを読んでいると、あたかも就活用に経験や思考を補正しているものが目立ちます。

それこそバカバカしいというのが本音です。

なので、少なくとも私は、
今新たに何かを取り組み始め、自己の成長を願い行動することに違和感はないと思います

自分が社会に出て、組織とよろしくやれるように。今、この瞬間から、仕込みをやり始めたって、いいじゃないですか?

以上で、自己PRについての熱い想いを伝え終えます。

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 たまに役立ちます。

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無題


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